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勝手に復習その1 – 『アイデン & ティティ』

アイデン & ティティ

アイデン & ティティ

監督: 田口トモロヲ
原作: みうらじゅん
出演: 峯田和伸, 中村獅童, 大森南朋, マギー, 麻生久美子, 他
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 勝手に僕が思ってることですけど、行定監督は万人が楽しめるメジャー路線の映画と、万人受けはちょっと置いといて自分が本当に撮りたい映画、っていうのをバランスよく作ってるような気がします、気のせいかもしれんけど。
 まぁとにかくそんなふうにバランスを保ちながらやっていくやり方があるとして、それとは逆に不器用なんだけれども、でもやっぱり一生懸命生きようとしている人が描かれているのが、この『アイデン&ティティ』です。
 バンドブームに便乗し、売れるのを狙った曲でデビューしたものの、こんなのロックじゃねぇ僕は本当のロックがやりたいんだ本当のロックとはなんぞや、みたいなバンドのお話です。

 監督は田口トモロヲ(NHKプロジェクトXのナレーションの人、いろんな日本映画に脇役で出てる)。原作はみうらじゅん(「マイブーム」って言葉の生みの親、前テレビで天狗に凝ってるって言ってた、こないだは蟹のパンフレットが最新マイブームって言ってた、おもろいおっさん)の漫画。
 って全然セカチュー関係ないやんって感じもしますが、いえいえ。僕的にはしっかりつながってます。脚本の宮藤官九郎はセカチューでは大木龍之介役で出てますし、ドラマー役のマギーはセカチューでは柴咲コウちゃんがウォークマン買いに行ったときに接客した電気屋の店員役だったし、ベース役の大森南朋はセカチューでは高松空港の係員役だった。おっけー、つながった。僕的には。

 僕的僕的ってもうここまで僕的できたら、さらに僕的をだらだら続けさせていただきますと、今年僕がもっとも楽しみにしてた映画がこの『アイデン&ティティ』でして、公開前の予習は万全、原作の漫画を熟読するはもちろん、シャワーを浴びながら自然と口ずさむ鼻歌は、映画の主人公達のバンドSPEED WAYのデビュー曲「悪魔とドライブ」、っていう程でした。ところが。
 香川で上映されんかった。
 でもでも、高松映画祭とかなんとかいうので、1日だけ1回だけ上映されるチャンスがあって、喜び勇んで映画館行ったら、日にちを間違えててもう終わってた。俺のあほぉ。
 で、やむなくカップルで満員のセカチューを、おっさん一人で観ました。おっけー、つながった。

 はい、で、映画『アイデン&ティティ』。僕は今年あんまり映画観てないですが、今年観た中では『きょうのできごと』とならんで、この『アイデン&ティティ』が一番面白かったです。
 すごく楽しい映画であるにもかかわらず、観終わった後、なんか心がずしーん、と重くなった気がします。本当のロックを追い求め、自分のアイデンティティを探しもがく主人公に感化されるのでしょうか。自分の人生と真摯に向き合うと、こんなに心に重量感を感じるんやなぁ。よし、やろう。めっちゃやろう。あぁ俺、いま生きてる。
 映画を観終わり、そう思いながら、寝て、次の日の朝起きたら、もう心が軽かった。寝っ転がってバラエティ番組をぼーっと見た。俺のあほぉ。

DVDが届いた

世界の中心で、愛をさけぶ スペシャル・エディション

世界の中心で、愛をさけぶ スペシャル・エディション

監督: 行定勲
出演: 大沢たかお, 柴咲コウ, 長澤まさみ, 森山未來, 山崎 努, 他
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 ついにDVDきました。Amazonで予約してたやつ。

 庵治町界隈を担当しているっぽい宅配便のおばちゃんが、「今日なんかおんなじような品物の配達がやたら多いんやけど、これなんな?」と不思議がっていました。「映画のDVDの発売日なんや」と僕が返答すると、「みんなそな言うけど、それがどしたんな?」「ほら、庵治でロケしたやつやって」「あぁ、でもあんたの5000円やけど、他の人のは8000円やで」
 なんと。庵治っ子はみんな豪華DVD-BOXのほうなん?庵治っ子でケチってスペシャルエディションにしたんは俺だけなん?うくく、器の小ささを露呈してもーたです。

 なにはともあれ、内容をチェック。
 まずは一番見たかった、「ロケ地MAP」を。こうやって冊子になってるのを見ると、ほとんどのロケは庵治町で行われとったんやなぁ、としみじみします。

 で、本編観ました。
 サクの高校時代の回想が始まり、森山君が王の下の防波堤を走っているシーンになると、うわぁ出たぁ庵治やぁ!ってもうそこで鳥肌。以降やっぱりストーリーにはほとんど集中できず、あそっかそっか、そういえばこんなシーンもあったなぁ、はっはーん、こういうカメラアングルね、みたいな感じで、庵治町の景色ばかり観てました。

 それにしても、あれはどういう風になってるんでしょうか、カメラのレンズにソフトフォーカスかなんかのフィルターをつけるんですか?それとも編集で上手いことやるんですか?ようわからんけど、なんだか庵治町が淡くやわらかい光に包まれて、なんかいい感じに映ってます。
 映画を観てロケ地めぐりをしに来た方々は、実際の庵治町に失望してはいないでしょうか。いささか心配。

勝手に予習その4 – 『GO』

GO

GO

監督: 行定勲
脚本: 宮藤官九郎
出演: 窪塚洋介, 柴咲コウ, 他
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 ベタに『GO』を観ました。
 映画館で初めて『GO』を観るまでは、直木賞小説が原作で脚本が宮藤官九郎っていうメジャー路線と、行定監督がどうもつながらないような気がして、違和感がありましたけど、実際観始めたらもうオープニングの時点で、カッコええ!と僕は感動し、こういうエンターテイメント的なやつも撮ろうと思えばいつでも撮れるんっスね!監督!と心の中で勝手に行定監督に弟子入りしたのを覚えています。
 ただ僕の好きな『ひまわり』でいっぱい出てたさわやかな役者さんたちが、こういうメジャー映画になるとチョイ役に追いやられてしまうのが悲しい。つっても『GO』は高校生のお話だから出番が多いほうがおかしいのか。

 小説が映画化された場合、映画より小説のほうが圧倒的に面白い、っていう先入観が僕の中にあります。ただ小説のほうが言葉の情報量が多いからわかりやすくて、僕に映画の読解力がないだけかもしれませんが。
 でもこの『GO』にしても『きょうのできごと』にしても、行定監督のは小説同様おもしろい。小説の世界観そのままに、さらにそれを膨らませてるというかなんというか。しかも『GO』は脚本のクドカンらしさも出ててまたいいっス。

 それにしても、映画はやはり映画館で観るに限る、とつくづく思います。映画館で観たときは柴咲コウちゃんのパンツがチラリと見えてドキドキしたものですが、家のちっちゃいテレビだとイマイチ確認できません。映画はやはり映画館で観るに限る。
 とにかく、映画館を出るころには、それはもう僕は柴咲コウちゃんに恋をしていました。一緒に観に行った子にその旨告げると、その子は「あたしは窪塚くんに恋をした」と言っていました。女の子はみんな窪塚くんが好き。僕は「俺が女やったらジョンイルくんに惚れるけどなー」と言ったら、「確かにジョンイルくんはいい人だけど、やっぱり窪塚くんがカッコいい」と言っていました。
 しょせんジョンイルくんはいい人どまり。やっぱり女の子はみんな窪塚くんが好き。
 ジョンイルくんのほうが、男気があったと思うけどなぁ。

夢島

無人島  映画のセカチューの夢島シーンで、我が町庵治町の「稲毛島」という無人島が使われました。今年の秋、友人の協力により上陸に成功したんで、よかったら夢島の写真、見てください。

 で、上の写真は何かっつーと、昔、親戚一同で無人島に海水浴に行ったときの写真です。こないだアルバム見てたらみつけました。写真の日付は81年となってます。古いせいか、なんか一部変色して心霊写真みたい。すいません。
 これは僕の田舎自慢の1つでして、昔はよく、無人島に海水浴に行きました。庵治町は北に突き出た半島状になっていて、海水浴のできる砂浜はくさるほどあるのですが、でも海水浴客で混雑していますから、それをさけて無人島へ行くわけです。漁船で。母の実家が漁業を営んでますんで。

 ほなこの写真、夢島なん?って感じですが、ようわからんです。っていうか、たぶん違います。稲毛島の近くに、ほかにも兜島、鎧島などがあり、そのあたりだと思われます。
 こないだ夢島連れていってもらったときに、聞いた話ですが、それらの無人島も年に何回か、地元の漁師さんたちで掃除してるそうです。ゴミとか砂浜に打ち上げられますもんね。映画のロケのときも、漁師さんが直前に掃除されたそうです。

 それにしても上の写真を見ると、妙に悲しくなります。いとこ達が海できゃっきゃ遊んでいるのに、独りうつむいて砂浜を歩いています。かわいそうな子です。しかも白ブリーフいっちょう。ふびんな子です。なんか内股ぎみやし。
 そもそも水が怖かった。小さい頃は髪を洗うのすら、嫌で嫌でしょうがなかった。
 そんな僕を、うちの父ちゃんは「これではいかん」と思ったのでしょう。僕がわりと物心ついたころ、兜島かどっかに泳ぎに行ったとき、相変わらず砂浜でちまちま穴掘ったり山作ったりしている僕を、父ちゃんはがばっと担ぎ上げ、海に放り投げました。父ちゃんの荒療治。生命の危機を感じた僕は、本能的に泳ぎをマスター。というのが父ちゃんの描いた構想だったでしょう。
 もちろん駄目でした。僕はあっぷあっぷもがきましたが、無残にもぶくぶく沈んでいきました。パニック状態を通り越し、放心状態になった瞬間、父ちゃんが海の中から僕を抱えあげました。そんときあいつ、へらへら笑ってやがりました。時代が時代なら幼児虐待で訴えてやるところです。

 そんなトラウマもあり、学生時代は毎年、夏が憂鬱でした。水泳の授業があるんで。僕はばりばりの泳げない子でした。
 しかし僕はやりました。23歳になってクロールができるようになりました。うれしかった。ちゃんと息継ぎができます。でも体力ないんで25メートルスタミナ持ちませんけど。ともあれ、もうこれで夏なんて怖くないぜ。

 と思いましたが、水を克服した矢先に、重大なことに気付きました。どうやら、髪が濡れたときの、僕の頭皮のスケスケ度は尋常じゃないようです。一緒に泳ぎに行ってた友達が、「ハゲハゲって今まで冗談でからかってたけど、ほんとにハゲてたんだ、ゴメン」と申し訳なさそうな、かつ、おびえたような目で、僕に謝っていました。

 ですから最近では夏どころか冬場でも、温泉とかに恐怖します。夏にしても、草野球でヘルメットをかぶると蒸れて髪がべちょべちょになるし。大人になった今、年中憂鬱。

勝手に予習その3 – 『Jam Films』

Jam Films

Jam Films

監督: 行定勲, 北村龍平, 篠原哲夫, 堤 幸彦, 岩井俊二, 他
出演: 妻夫木聡, 綾瀬はるか, 大沢たかお, 山崎まさよし, 他
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 僕にはお金がありません。甲斐性がありません。髪の毛もありません。
 っていかんいかん。いきなり自虐っすか。もうやめようよ、そういうの。暗くなるよ。はい、もうやめました。俺は金持ち、俺はエリート商社マン、髪のボリュームを押さえるのに毎朝苦労するぜ。
 ・・・・・スイマセン、くだらんことばっか書いて。何がいいたかったかってゆーと、僕はしょっちゅうお金に困ってまして、そんなときは必ず、「あっ、ブックオフで本とかDVD売ったらええやん」とひらめきます。

 そこで、いの一番に売却対象の候補にあがるのが、この『Jam Films』です。別につまんないことないんですが、僕が、これはもうめちゃくちゃオモロいに違いない、ってあまりに期待して興奮状態で買ってしまったものですから、実際観て、うーん、まぁまぁ、って感じになってしまいました。ごめんなさい。
 何にそんな興奮したって、この映画はショートムービー7作品で構成されてるオムニバス映画なのですが、監督陣がえらい豪華で、日本映画好きにはたまらんかったのであります。

 でもまぁ、背に腹は替えられん、ってことで、おっしゃ、これ売ったろ、と決心。でも、行定勲監督『JUSTICE』はめっちゃオモロかったけん、この作品だけでも最後に見納めよー、とその『JUSTICE』をブックオフに行く前に観てしまいます。
 主演は妻夫木聡くんです。高校生の役で、英語の授業を受けてます。窓際の席。ふと運動場に目をやると、女子達が体育の授業中でハードルをしています。色とりどりのブルマー達がまぶしい。その中に、のちにドラマのほうのセカチューのアキ役を演じることとなる、綾瀬はるかちゃんがいます。ひときわブルマー姿が妖艶です。ってなんか僕さっきからブルマーブルマー言うてますけど、別に僕がとりわけそこに注目しとるわけじゃなくて、この作品においてブルマーが重要な要素になってますから、僕のことマニアックな子ぉと思わんといて下さい。
 でまぁ、なんやかんやあるわけですが、たった15分くらいのお話なのにめちゃくちゃ楽しいんです。なんでこんな短いのにオモロんやー、って感動します。アイディアがすばらしい。さりげないことなんですが、なんでこんなこと思いつくんやろ、ってビビります。行定監督すてき。

 『JUSTICE』に感動した僕は、やっぱ売るんやーめた、となります。やっぱこれは手元に置いておこう、と。その分、たばこを控えよう、と。
 この一連の行動・思考の流れが、僕のお金に困ったときの儀式となっています。

 そしてこの映画を観るたびに、自分の高校時代も思い出します。
 僕らの代までは体育のとき、男子は短パン女子はブルマーだったのですが、僕らが2年のときの1年生の代から、男女ともにハーフパンツになりました。やっぱ男子としてはブルマーが消えていくことが、ちょっぴり悲しかったです。

 高2のとき、文化祭の前夜祭で、僕は部活の先輩の命令でステージに立つことになりました。体育館のステージ上、部活単位でなんか出し物を披露するようになってまして、他の部はギターの弾き語りをしたり、ダンスしたり、華やかでした。
 で僕は何をしたかっていうと、硬派に演説をかましました。硬派に学ランで登場してやりました。
 美少女戦士セーラームーンのうちわをあおぎながらマイクの前に立った僕は、残暑厳しい中、勝手に学ランを着ているにも関わらず、第一声「なんか暑いわぁ」と言いました。そして「脱ぐか」と言い、おもむろに上下の制服を脱ぎだしました。
 制服の下は、体操服(女子ヴァージョン)。ブルマー姿。
 場内のいたるところで、女生徒の悲鳴が発生しました。僕はスネ毛どころか、モモ毛も結構生えてます。剃っときゃよかった。
 とは思いませんでした。僕は硬派を貫き通しました。「おい・・・・・・1年生女子。・・・・・・あの体育の時の服装はなんなんだ?・・・・・・なんなんだ?」僕は問いかけました。「女子高生やったら女子高生らしく、俺のようにブルマーをはけーーー!!」僕は右手のこぶしを高々と突き上げ、熱いおたけびをあげました。魂の叫びでした。

 前夜祭が終わった後、知らない男子の上級生から「よう言うてくれた!」と握手を求められました。がっちり固い握手。お互い名前も知らないけど、そのとき僕らは確かに、分かり合うことができたんだ・・・・・・。

 とかって、スイマセン、アホなこと長々と。とにかくこの『JUSTICE』を見ると、そんな青い時代の、ほろ苦い思い出が、よみがえってきたりします。