中野うどん学校、スパイ志願
前回の日記のおコメントで、お蔵入り、とのご指摘があったのですが、お蔵入りにしてしまうとなんだか男気に欠ける気がするので、いざ書きます。はっきり言って記憶が曖昧です。
というのはだいぶ前、確か8月くらいに、香川県にある中野うどん学校というところに行ってきました。九州からお越しのお友だち“しょんさん”という女性と、あと香川の友だちと何人かで。
「中野うどん学校」と聞いて、「陸軍中野学校」を連想し、はっはーん、さては“うどんスパイ養成所”ですね?と深読みした歴史好きのあなた。ちっちっちっ。旦那、そいつぁとんだ早合点でさぁ。
そして、誰がそんな勘違いするかぁアホ、と思ったそこのあなた。そりゃごもっともでございやすが、甘いよ甘いぜ甘ちゃんです。
もちろん確かに中野うどん学校は、陸軍中野学校とは何の関係もなく、みんなで和気あいあいと、1~2時間くらいでうどんの打ち方を学べる、それはそれはとても楽しい学校かつ観光地でございます。
でもね。なんてゆーか、僕レベルのやる気に満ち満ちた野心家に言わせるとですね、みんなで和やかにうどん作って、あはは、楽しーね、とかっていうだけの生ぬるい学問とは一線を画する感じでいきたいというか、俺は、俺だけは一人、有名店ばりに美味いうどんを打ってみせるぜっていうか、さらにはそれこそこの1日で、讃岐一の“うどんスパイ”に成長、しこうして後に人気のうどん店に客として潜入し、麺を一口テイスティングするやいなや、「ふむ。香川県産小麦に北海道産小麦をブレンドしておるな。なーる」みたいな、そんな曲者うどんスパイ目指して、意気込んで授業に臨んだと、まぁそういう次第でございます、俺は。俺だけは。
【ホームルーム】
やる気満々で、教室の最前列・教壇の真ん前に着席。先生登場。授業概要の説明あり。優しくて、かなり面白いおばちゃん先生。
「今日はどこから来たんですか?」って感じになって「え。おれ庵治。この人九州」みたいな。そしたらその先生も、庵治の人であることが判明。
その後、「自分、庵治町(地名)のあの辺にある、庵治(姓・仮名)って家の長男です」等、教壇の真ん前に座ったことも幸いし、その先生とは頻繁に質疑応答を重ねることとなる。
【1時間目】 伸ばして切る
まずは元々用意して下さっていた、小麦粉が水でこね合わされたやつを、棒を使って伸ばすを学ぶ。力仕事。汗だく。疲れる。
でも僕はへこたれない。なぜなら僕は、僕だけは、うどんスパイ志願者だから。心意気が一般人とは違う。
などと頑張って、うどん生地を棒でぐりぐりしていたところ、先生が僕に話しかけてきた。九州からお越しのしょんさんを指して、「彼女?」と。「いえ、違います」「またまたぁ、ほんまは彼女なんやろ?」「いえ、違います」「またまたぁ、彼女やろ?」
他の生徒さんならまだしも、俺は、俺だけは、うどんスパイ。先生との会話をへらへら楽しむ暇はなし。お友だちごっこしに俺は入学したんじゃねぇ。何人たりとも俺より美味いうどんは作らせん。
そう思った僕はしまいには、先生の「彼女やろ?」の応酬を一刻も早く断ち切るべく、デタラメで「ええ、そうです。彼女です。僕たち付き合ってます」と交際宣言。「やっぱりなぁ。最初からそうニラんどったんやぁ」「やっぱわかりましたか?」「わかるわかるぅ。で、結婚はいつ?」「来年の春ごろを予定しています」「ええっ!?そんな先なん?最近の子ぉはもっと早いんちゃうん?」「いえ、僕たち、きちんと順序を守った交際をしていますから」
いやぁ、出まかせの会話が弾む弾む。ちょっと楽しいかも。生地とか伸ばしとる場合とちゃいますわ。
そんなこんなで、生地伸ばしもそこそこに、心機一転、生地を切る。僕の切った麺の幅は、計ったように均一。たいへん美しい。整然とした麺。職人の技。芸術。アート。スパイ。俺だけは。
【2時間目】 粉とか水とか、こねる
じゃあ2時間目は、持ち帰りように、小麦粉とか水とか合わせて、こねたやつを作ってみましょう、って感じだったような。ごめん。かなり記憶あやふや。ダンスしか頭に残っとらん。まず小麦粉に、水だか食塩水だかを合わせて手でこねくりまわす。
次にそれを踏む。テレビとかで、うどん屋のばあちゃんがやってる感じ。
中野うどん学校では、この“踏む”の工程を「うどんダンス」と称し、ラジカセからミュージックがスタート。リズムに乗って、楽しく生地を踏みましょう、って寸法。
1番、郷ひろみ、『お嫁サンバ』。
正味の話、もうこのへんの段階から、俺は、俺だけは一人、あはは、楽しーね、とかって言いながら、うきゃうきゃ大ハシャギ。サビ部分の「いち、に、さんば。にぃーい、に、さんば」では、華麗なボックス・ステップを披露する始末。うどんを踏まずにボックスを踏む。
ちなみに2曲目は『マツケンサンバⅡ』。 “うどんダンス”とはこれすなわち、“サンバ”なることを知る。
【卒業式】
卒業証書授与。うどんダンスで、ひとしきりハシャいでいたため、俺は、俺だけは一人、虚脱。
ちなみに中野うどん学校を卒業してから1ヶ月くらいして、庵治町の友だちに会ったとき、「太郎くん(仮名)、この度はおめでとー!」と祝福されました。
何がおめでたいのか、とんと分からず、その友だちによくよく聞いてみると、なんでも、庵治さん(姓・仮名)とこの長男が、九州・四国間の遠距離恋愛をみごと成就させ、来春めでたくゴールイン、という噂が、庵治町の一部界隈でささやかれているとのこと。
とりあえず、うどんスパイとして、風説の流布には成功したかな、と。
【昨日のでぶろぐ】
朝食: 我慢昼食: 我慢
夕食: 豚キムチ丼、カルビ、サラダなど
深夜: 焼酎(緑茶割り)、煮込みラーメン→雑炊、ポトテチップス(うす塩)
・ウォーキングやむなく中止 (雨天の為!)
・半身浴1時間半 (綿矢りさ 『夢を与える』 文藝 2006年冬季号)
体重: 73.8kg
体脂肪率: 27.9% (低い 標準 やや高い 高い)
この間、庵治町