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2日連続、高知市営球場

高知潜入  昨日。前日に引き続き、日帰りで高知市営球場に行きました。すっかり野球熱にのぼせ上がった僕と友人。香川県代表の三本松、高松商が第1、第2試合にそれぜれ登場するんやから、観戦しに行かないかんやろ、と。さらには、三本松と高松商にコールドでちゃちゃっと勝ってもらって、別会場の春野球場で行なわれる第2試合、明徳-済美の一戦も観よう、と勝手なスケジュールを組んでいました。舞い上がっていました。
 はっきり言ってアホ。こいつら男二人でアホです。オタクです。

 一応、行きの車の中から、自覚はあったんです。あぁ、俺らオタクやなぁ、という自覚が。でもここまできたら、四国の高校野球を極めてやるぜ、と僕は車中で宣言しました。僕は熱く将来を語りました。俺は四国高校野球の、とくにオリーブスタジアムの「ヌシ」になる、と。高校球児たちが試合前にグランドから、バックネット裏の観客席に鎮座まします私を見つけて、「おい、ヤバイ、今日もヌシ来とるぞ!」「マジで?どこどこ?あっ!ほんまや!」「あいさつしとかな、マズいんちゃうん?」と口々にささやき合い、球児たちはグランドから私に向かって「ちわー」「ちわー」と挨拶をする。それに対して私は大物っぽくシブい声で「おうっ、頑張れよ」と声をかける。
 どうっスか?こんなん。
 などとくだらないことを言っている間に、車は四国山脈を超えました。

 トンネルを越えると、そこはどしゃ降り。

 舞い上がっていました。そういえば前日から天候は不良で、前日の高松高校戦は出発する前に高知市営球場に電話して天候、グランド状態を教えてもらってたのですが、今回はその作業を怠っていました。てゆーか、はしゃいでて忘れてた。こんな天気で野球できるか?という重い空気が車内に漂うも、「ま、まぁ山の天気は変わりやすいって言うしのー」「そうそう、女心と秋の空って言うしのー」と二人、現実を見ようとしないまま、車は高知市営球場へ。

 幸い、高知市内はそれほど雨が強くなく、試合やってました。
 よかったよかった、と安心しながら車を駐車場に入れ、チケット売り場へ。売り場の窓口は地元の女子高生でしょうか。制服を着ています。「大人2枚」と言った僕の顔を見るなり、女子高生はなんか変な表情になった気がしました。前回はチケットと一緒にくれた大会のパンフレットを、今回はくれませんでした。はっはーん。さては僕の顔を覚えていて、「げ、このおっさん今日も観にきとる」と僕の熱狂的ファンぶりにビビっとるな?彼女が「ヌシ」を確認した初めての人となった。

 などと感慨にふけりながら観客席に向かっている途中、雨足がえらい強くなってきました。一瞬でパンツまで雨がしみこんだのがわかるほどのどしゃ降り。なんとか観客席にたどり着き、グランドに目を向けると、選手や審判の人たちが、「わー」って感じでベンチの方に引き上げていってました。どうやら雨が強くなったため、一時試合を中断したようです。
 うそやろ…まだ野球観てないんですけど…。
 ここの球場の観客席にはほとんど屋根がないので、観客の人たちもどこかへ避難しはじめました。僕たちは試合再開を信じ、ごく一部分の屋根がある席を確保し、待機しました。

 試合再開を待つ僕たちの座席のすぐ前に、おじさまがたが4,5人並んで座っていました。聞き耳をたてていると、おじさまがたは、何回表の誰々の攻撃はどーだった、こーだった、という感じで、この試合を振り返りディスカッションしていました。スコアボードを見ると、試合は4回途中で中断されていたのですが、このディスカッションは30分くらい続きました。おかげで僕は試合のこれまでの経過が把握でき、試合再開に向けて、万全の体制が整ったのですが、いっこうに雨が止む気配はなく、おじさまがたの話題はこの試合以外のことに移行していきました。
 聞き耳をたてていて、次第にわかってきたのは、どうやらこの方たちは香川の人であること、とくに選手の父兄ではないらしいこと、話の語り手は主に一人であること、その一人の方が一番年配であること、70歳を過ぎていること、前日の試合を観た後そのまま高知市内のホテルに宿泊したこと、などです。
 その一番年配の方はいろんな香川の野球情報を語っていました。なんちゃら高校出身の誰それは今社会人野球のどこどこで活躍してるだとか、なんちゃら高校出身でなんとか大学の誰それは今年のドラフトにかかる、等々。

ノーゲーム
 試合中断からかなりの時間が経ち、僕がすっかり香川野球の情報通になったころ、審判の人がグランドに出てきて「ノーゲーム」のコールをしました。そして場内アナウンスがありました。本日行なう予定だった試合は、明日月曜日に行ないます、みたいなアナウンスです。
 会場に「えー、なんだよぉ」的な落胆の声が響く中、一番年配のおじさまは、はりきった様子で立ち上がり、言いました。
「パンツの代えがもうないけん、いっぺん香川に帰って、また来ないかん」

 負けたよ。負けました。僕の負けです。あなたこそ真の「ヌシ」だ。どんなに頑張ってもあなた様の野球の好きさにはかないません。
 僕は高知まで行って試合も観られずに帰りましたが、試合のかわりにヌシ様のありがたいお話を聞くことができました。僕の野球熱を冷ましていただきました。

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