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福神漬け

福神漬け  今日が「最後の晩餐」。

 そんな断固たる決意を、ここ三夜連続宣言しておりまして、いかんなぁ、俺、意志弱いなぁ。明日からこそダイエットする、と晩飯時は本気で心に誓っているのですが、ここ三日間、連日連夜の暴飲暴食、ついぞその「明日」が来ておりませぬ。三日間で3kgの増量に成功。

 地球最後の日に、あなたは何を食べますか?って聞かれたら、なんて答えますか?ぼくは即答、「カツカレー」。友達と遊んでて「晩飯何食う?」と聞かれたら「カツカレー」。おかんに「今日晩なにがええん?」と聞かれたら「カツカレー」。早朝のレストランで「ご注文は?」と聞かれたら「カツカレー」、「朝食メニューの中からお選び下さい」と店員にムッとされる。

 で、今日こそが、今日こそが「最後の晩餐」なので、カツカレーを食べました。400グラム。辛さ普通。トッピングにカニクリームコロッケを2つ。クリームコロッケも好きなの。
 僕はカツカレーなら毎日3食を一週間は余裕で続けられる自信がありました。が、そこはもうおっさん。今日、カツカレーを食べてる途中からして既に胃がおかしい。心が欲しても体が脂モンを拒絶し始める。おっさんとは、哀しい。

 ところで、腹心漬け、ってちゃうわ、福神漬け。そう、カレーにそえるヤツ。福神漬け。皆さんはこれ、なんて読みますか?「ふくじんづけ」ですよね?
 え?「ふくしんづけ」ちゃうん?って思ったそこのあなた。へへーんだ。この田舎もんが。この田舎侍どもが。標準は「ふくじんづけ」なんだぜ?俺くらいの都会派になってくると、もちろん「ふくじんづけ」って言ってるんだぜ?
 「ふくしんづけ派」のいなかっぺ大将の人、試しに「ふくしんづけ」って入力して、変換してみて下さい。「腹心漬け」とかって、なんか腹黒いことばっか考えていそうな感じの漢字に変換されたりしますから。

 あれは僕が関東の大学に入って間もない頃でした。浮かれて、なんちゃらサークルみたいなのに出入りしていた頃、この後みんなでカレー食べに行こう、ってことに。
 僕がふくしんづけ、ふくしんづけ、って連呼していると、「あなたは国語を間違っていますよ。ふくしんづけ、ではなくして正しくは、ふくじんづけ、ですよ」とサークルの皆に指摘されました。「え?そうなん?ほなこれ方言なんや、訛っとんや。だって香川ではみんな、ふくしんづけ、って言うとるもん。ねー?」と僕がそう言って同意を求めた相手は、香川県丸亀市出身の先輩でした。
 しかし、その先輩、「いや、香川でも『ふくじんづけ』だよ」と。
 んにゃろー、都会派ぶりやがって。お前もかっぺだろーが。マジその先輩ぶっとばしてやろうかと思いました。無理やけど。おかげでそのサークルにおいて僕は、やさしい日本語もままならない哀しい子、自分の誤りを故郷のせいにする姑息な子、として小馬鹿にされました。

 悔しくて後に僕がリサーチしたところ、やはり、中学、高校時代の僕の友達は、「ふくしんづけ」と言っていました。じゃあ、やっぱ香川の方言なのかというと、微妙に違っていて、東讃地区(とうさんちく・香川の東半分)では「ふくしんづけ」、西讃地区(せいさんちく・香川の西半分)では標準語でもある「ふくじんづけ」、ということなんだと思います、僕の聞き込み捜査によると。
 だからサークルの先輩は「ふくじんづけ派」だったのです。丸亀市は西讃地区になりますから。僕の住む庵治町は東讃地区。通ってた高校も高松市だから東讃地区。大学に入るまで、「ふくじんづけ文化」に接したことがなかったわけです。

 何の疑いもなくつかっていた言葉が、実は方言だと知ると、なんかショック。カルチャーショック。でも、やっぱ田舎に生まれたからには「ふくしんづけ」を大事にしたい。東京とかで生まれ育った人に、方言がうらやましいと言われたこともあります。

 ちなみにさっき、「ふくしんづけ 方言」とかで検索してみたところ、案外日本各地に「ふくしんづけ派」がいるみたいです。はっ。田舎侍どもが。—–

Comments (10)

・・・俺も26年間「ふくしんづけ」で通しよった。
うちもおかんは大内町、おとんは志度町出身。ばりばり東讃の血筋を引いてます。
ひとつ勉強になりました。

俺も18年四国で育っていきなり東京へ進学したときあたりまえと思っていた言葉が方言だったことが多々あったわ。
腹おきた(おなかいっぱい)
こそばす(くすぐる)
はがい(むかつく)
むつごい(味がきつい、濃い) 等々。

でも讃岐弁って関西弁とは違うほのぼのした感じが俺は好っきゃで。

>ちょかさん

うん。
普段、会話に支障がない程度に方言を抑えてても、
とっさの時とか、思わず出るよね。
「あー、お腹おきた」とか。

あと、香川で育つと讃岐弁でしか言い表せんことも、よくある。
例えば、「ちみきる」とか。
「ちょっと、ちみきらんといてよ!」って言いたいときは標準語ではどうなるんやろか?
「ちょっと、僕の皮膚を親指の爪と人差し指の爪で挟んでつねらないでよ」ってなるんか?
長いなぁ。

「ちみきる」とはまたまたレアな讃岐弁を拾い出してきたな。

そやけど
「ちょっと、ちみきらんといてよ!」=
「ちょっと、僕の皮膚を親指の爪と人差し指の爪で挟んでつねらないでよ」

確かに長いがそれでも「ちみきる」という言葉に対しまだ微妙なニュアンスが足らん気がする。
「ちょっと、ちみきらんといてよ!」=
「ちょっと、わや痛いやん。これ以上僕の皮膚を親指の爪と人差し指の爪で挟んでつねったらほんま血ぃでそうやけんやめていた」

これでしっくりくる。

>ちょかさん

ちょかさん、長いよ!
確かにしっくりくるかもしれんけど、
どうも、なんつーか、「ちみきる」感がいまいち出てない。

やっぱ「ちみきる」は「ちみきる」やね。
ずるい結論かもしれんけど。

「ふくしんづけ」って方言やったんですね。親がふくしんづけって言っていたものですから、ずっとそうだと思いこんでいたので、東京で「ふくじんづけ」たるものを聞いたときには、びっくりしました。これからは胸を張って「ふくしんづけ」といいます。

>たにさん さん

そうっスよ!
「ふくしんづけ」をガンガンつかっていきましょうよ!
僕は「ふくしんづけ」が準標準語として認知されるまで
使い続けますよ!

そのうち、僕の方言のページに載せます。

>たにさん さん

「ふくしんづけ」よろしくお願いします。

実は、この庵治太郎.comにもかつて、
「讃岐弁講座」という大げさな名前のコーナーがありました。
更新していくのが、億劫で断念しました。

また、暇を見つけて復活させたいなと思っているのですが、
今のところ、日記の更新もままならない状態ですので、
ちょっと自信がないです。

はじめまして。upiと申します。
このページを私のサイト「upiのまんぷく工房」の
「まんぷく日記」にリンクさせてもらいましたー!
(福神漬けの話がおもしろかったので。
 ちなみにわたしも「フクシンヅケ」派)
関西の食べ歩きが中心のサイトですが、
よろしければ、1度HPに遊びに来て下さいね。

>upiさん

リンクしていただき、ありがとうございます!

じゃあ、関西の人も「フクシンヅケ」なんですかね。
方言というには微妙な言葉で、日本各地、いろんなところで使われているようで、僕にとって「フクシンヅケ」は謎の訛りです。

upiさんの日記のおいしそうなカレーの写真を見ていると、無性にカツカレーが食べたくなってきました。
明日、最後の晩餐としてカツカレーを食べたいと思います。

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